川泉ポメ@映画感想日記

川泉ポメの日記。映画や本の感想を描く用のブログ

オタクが「成功したオタク」みてきた

文章は最初に結論を書くといいと聞いたので結論書く!


監督が10代の頃のアイドルファンだった自分の初めて推し活と、その最悪な終わりを描いています。

陰鬱な素材だと思うのに、監督の持ち味なのかちょっとコミカルでまじめでさわやかキラキラの青春感がありつつ、真摯に描いてて素晴らしい作品でした。

見て!

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オ・セヨン監督作品「成功したオタク」を渋谷のシアターイメージフォーラムで見てきました。


www.youtube.com

「成功したオタク」は韓国で起きたいわゆるバーニング・サン事件に関連して、不適切動画を女性の同意なく共有したチョン・ジュニョンの元ファンであるオ・セヨン監督の初監督作品です。
アイドルとは何か…推し活とは何か…性犯罪者になった推しを応援してた自分たちは加害者なのでは…?といったモヤモヤを追い取材し、言語化し、時に推し活仲間同士で慰めあい支えあう…そんな時間を2年の月日をかけて撮影したものです。


ここからぱらぱらと思いつくままに描きます。

私けっこうBIGBANG好きで…T.O.P.さんが好きです……

えーん😿

この「成功したオタク」では前述のチョン・ジュニョンのファンだけでなくBIGBANGのV.I.のファンも何名か出演して意見を語るのですが、その言葉が率直でびっくりしました。

この作品には基本的に性加害した推しを擁護する人は出てこないのですが、性加害した推しを非難する言葉が
「女性として女性にそんなことをした人間を許せない」「一生ムショから出てくるな!」
日本で顔出しのメディアでこれを言える人間は少ないなろうなって感じました。
これを顔出しで言ってる彼女たちは、オ・セヨン監督の友人で普通の学生さんや社会人。
言葉を選ばなければ「普通の女の子」たち。

私と同じく「推し」を愛する人/愛した人たち。

でも私と同じく「推し」を愛する人/愛した人たちであっても、私は顔出しでこれだけのこというの無理だなって感じました。

意見をいう彼女たちの言葉はどれも真摯で、社会的問題や政治的問題にも触れつつ、でも推しを応援してた過去の自分や楽しかった思い出、それを台無しにした推しについて率直に語る姿は韓国の女性はほんとしっかりしてるんだなって…。
韓国は日本よりも男尊女卑が強くて、それに対する反発が大きいことからフェミニズム運動が盛んでで、それに対する反発も大きく、日本から見える範囲でも結構モメてる感じに見えます。

そんな中で育ってきた女性たちがこんな風に自分の名前を顔を出して意見を言う!

素晴らしいことだけど、韓国で叩かれてたりしないかな…心配しちゃった…。

 

最初にこの作品を知った時に予想した
「推しの犯罪を非難する監督が推しの犯罪を擁護するファンにインタビューに行く映画かな?」ってことは全く外れてて

途中でそのインタビューに行くことを断念するエピソードがあります。

名前出して顔出しで率直に語ってくれることの方が大事だと。

私は推しを擁護するインタビューも見てみたかったなって思うけど
監督は途中で「これは私と私の友達で完結する物語」「私の中にも推しを擁護する気持ちはある」ってなって
完全に自分自身を総括する内容に全振りしていました。

私は見てよかったし、面白かったです!


ただ、これはドキュメンタリーなので明確なメッセージやストーリーはなくて
「だからなに?」「オチは?」って人には向かない作品だと思います。

一応ちゃんとオチはあるけどね!

イヌ科をあいする全人類読んでくれー!「キツネを飼いならす: 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語」

「キツネを飼いならす: 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語」

 


何かのおすすめで知った本なのですが
有名なソ連/ロシアで行われているきつねの家畜化実験の当事者による一般向けの書籍です。

ドミトリー・ベリャーエフが始めたこの長い実験をリュドミラ・トルートが引継ぎ
現在ではロシアの科学者だけではなく、世界中の科学者によって遺伝子の解析や分析が進められ素晴らしい成果を出しているこの研究の
始まりから現在までの過程を楽しいことも厳しいこともお金に困ったことも政争に巻き込まれたり助けられたり…読んでいて退屈な時間は一ミリもありませんでした。

元はロシア語で書かれている本なのだと思いますが
大変に訳がよく…!
遺伝学や動物行動学に知見がない私でも、ちょいちょい詰まりつつも楽しく読むことができました。

遺伝の発現は遺伝子だけで決まるものではなく
親の特性、ストレスホルモン、環境因子…

従順な特性を持つきつねは大人になるのが遅く、見た目が幼く、普通きつねなら子供の時にしかしない遊びを大人になってもする…

そういえば人間は自らを家畜化した的なやつなんかで読んだな…

従順性をよしと刷り込まれた文化圏の人間てその要素強くなったりしない…?

たとえば

儒教とか…

奴隷制とか…

どうですかね…?

なんてことが読んでてお脳をちらつきました。

 

アイ,トーニャの感想

 

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(字幕版)

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(字幕版)

  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Prime Video
 

 アイ,トーニャをネトフリで見ました

 

フェイクドキュメンタリータッチで最近よくある第4の壁を乗り越えてくるやつもフェイク感がよかったです。

実際のトーニャとは差異があるとも聞くんですがすごくマーゴット・ロビーの演技がよくて、わかりにくい魅力・わかりにくいストーリーをひっぱってく原動力になってるなって思いました。

エモいお話にもできる素材だけどドライでバツバツと断片的な作りで終始「本当?嘘?どっち」な雰囲気も好き。

特に最後のシーン・最後のセリフにはすごく心つかまれました。

良いハッタリだと思う。

パラサイト~半地下の家族~


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編

 

「パラサイト」見てきました
やばいめっちゃ面白かった!
クライマックスむちゃくちゃ笑いました☺しゅごいよ!

やったーやったぞ!
私もそいつにそうしたいと思ってました😃
っていうのやっぱ好きです

っていう楽しい娯楽ムービー感と

貧乏家族の下品なズルさも
金持ち家族の上品なクソと
非情な格差の描写とが本当に素晴らしくて…!

宇多丸氏も言ってるけど
ジャンルが何かわかんない感じがすごくよかった。

韓国映画はソリッドなお話でもなぜだか
ウェットな終わり方をすることが多いなって
思ってるんですけど
ポン・ジュノ監督はいつもそうじゃなくて…
でも今回はわりとウェットな終わり方なのかなって思いました。

あとですね

オタクイベントで臭い人がいても
嫌味を言うのは絶対にやめようって思いました。
命が惜しい…

アイリッシュマン

アイリッシュマンをネトフリで見ました。

感想…と言っていいほど感想はないんですけど

デニーロが60年代のシーンでもおじいさんに見えるので基本混乱しながら見てました。

あと前半をもっと巻いてほしい…長い…

でも後期高齢者となったヤクザ殺し屋マフィア的な人物の描写はすごくリアルで心惹かれました。

「猫イジメに断固NO!虐待動画の犯人を追え」の感想

猫イジメに断固NO!: 虐待動画の犯人を追え | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

「猫イジメに断固NO!虐待動画の犯人を追え/Don’t F**k With Cats」…で検索してくる人へ

 

ネタバレします。

 

猫の殺害シーン・虐待シーンは映りません。

猫ちゃんの殺害・虐待シーンの前後があります。

 

例1

猫ちゃんが真空パックに入れられる

カメラ切り替わり、ネットにアップされた動画を見てる女性が泣き崩れる姿

猫ちゃんの死体の映像

 

こんな感じです。

 

人間の殺されるシーンも映らないけど

イケメンと出会ってこれから楽しい時間がすごせるかな?って思ってであろう被害者の生前の姿や、ご両親の悲壮な様子もあります。。。

 

荻上チキさんのおすすめで見てみたんですけど

面白いか面白くないかで言ったらむっちゃ面白いです。

ドキュメンタリーとしてすごく問題意識を喚起するし

自分自身、過去に”匿名の脅迫者”がネットにアップしてる情報を死ぬ程集めて刑事事件にしたことがあるので、すごく共感しながら見ました。

でも、最後に提示される視点は…たしかにそうなんだけどじゃあどうすればよかったんだって…。

 

あと関係ないんですけど、この犯人のキメ顔写真がいつも「ズーランダー」のベン・スティラーと同じ表情をしていて

なぜ…?なぜなんだ…????????って気になりました。。。

 

 

ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-

ネトフリで見ました。

 

パナマ文書とお金持ちが税金払わない問題に関する事象をコメディとして描いてる…が…

笑えるところは特にない…

パナマ文書問題を扱うには公開日が2年遅い…

あとメリル・ストリープゲイリー・オールドマンアントニオ・バンデラスシャロン・ストーン…とビッグネームが並ぶ…が

別段演技の見せ場は特にないのだった…

 

ソダーバーグ…どうしちゃったんですか…