文章は最初に結論を書くといいと聞いたので結論書く!
監督が10代の頃のアイドルファンだった自分の初めて推し活と、その最悪な終わりを描いています。
陰鬱な素材だと思うのに、監督の持ち味なのかちょっとコミカルでまじめでさわやかキラキラの青春感がありつつ、真摯に描いてて素晴らしい作品でした。
見て!
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オ・セヨン監督作品「成功したオタク」を渋谷のシアターイメージフォーラムで見てきました。
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「成功したオタク」は韓国で起きたいわゆるバーニング・サン事件に関連して、不適切動画を女性の同意なく共有したチョン・ジュニョンの元ファンであるオ・セヨン監督の初監督作品です。
アイドルとは何か…推し活とは何か…性犯罪者になった推しを応援してた自分たちは加害者なのでは…?といったモヤモヤを追い取材し、言語化し、時に推し活仲間同士で慰めあい支えあう…そんな時間を2年の月日をかけて撮影したものです。
ここからぱらぱらと思いつくままに描きます。
私けっこうBIGBANG好きで…T.O.P.さんが好きです……
えーん😿
この「成功したオタク」では前述のチョン・ジュニョンのファンだけでなくBIGBANGのV.I.のファンも何名か出演して意見を語るのですが、その言葉が率直でびっくりしました。
この作品には基本的に性加害した推しを擁護する人は出てこないのですが、性加害した推しを非難する言葉が
「女性として女性にそんなことをした人間を許せない」「一生ムショから出てくるな!」
日本で顔出しのメディアでこれを言える人間は少ないなろうなって感じました。
これを顔出しで言ってる彼女たちは、オ・セヨン監督の友人で普通の学生さんや社会人。
言葉を選ばなければ「普通の女の子」たち。
私と同じく「推し」を愛する人/愛した人たち。
でも私と同じく「推し」を愛する人/愛した人たちであっても、私は顔出しでこれだけのこというの無理だなって感じました。
意見をいう彼女たちの言葉はどれも真摯で、社会的問題や政治的問題にも触れつつ、でも推しを応援してた過去の自分や楽しかった思い出、それを台無しにした推しについて率直に語る姿は韓国の女性はほんとしっかりしてるんだなって…。
韓国は日本よりも男尊女卑が強くて、それに対する反発が大きいことからフェミニズム運動が盛んでで、それに対する反発も大きく、日本から見える範囲でも結構モメてる感じに見えます。
そんな中で育ってきた女性たちがこんな風に自分の名前を顔を出して意見を言う!
素晴らしいことだけど、韓国で叩かれてたりしないかな…心配しちゃった…。
最初にこの作品を知った時に予想した
「推しの犯罪を非難する監督が推しの犯罪を擁護するファンにインタビューに行く映画かな?」ってことは全く外れてて
途中でそのインタビューに行くことを断念するエピソードがあります。
名前出して顔出しで率直に語ってくれることの方が大事だと。
私は推しを擁護するインタビューも見てみたかったなって思うけど
監督は途中で「これは私と私の友達で完結する物語」「私の中にも推しを擁護する気持ちはある」ってなって
完全に自分自身を総括する内容に全振りしていました。
私は見てよかったし、面白かったです!
ただ、これはドキュメンタリーなので明確なメッセージやストーリーはなくて
「だからなに?」「オチは?」って人には向かない作品だと思います。
一応ちゃんとオチはあるけどね!